【台東編】

海と山に囲まれた自然豊かな台東。夏の空を彩るバルーンフェスティバルも開催されます。

(※1)

ダイナミックな原色の自然が残る楽園・台東。
太陽と海の輝きが織りなす澄んだ空気の中でデトックスの旅を。

全台湾でも人口密度が一番低い台東では、時計や携帯を置き、ゆったりとした時の流れの中で過ごしてみるのはいかがでしょうか。台北から時間がかかりますが、海と山に囲まれた台東には、ストレスフリーな暮らしがあります。こぢんまりとした市の中心から約1km、徒歩15分ほどで海。市内から少し足を延ばせば知本温泉(※1)があり、さらにリフレッシュできる旅がお楽しみいただけます。 これからの季節にはちょうど台東ならではの自然を活かしたイベントが盛りだくさん。内陸・花東平野の鹿野高台で行われる「バルーンフェスティバル」や、海からあがる満月と、その満月に照らされる海面を背景に開かれる音楽とマルシェのイベント「月光・海音楽会」など、自然との調和に心から満たされる旅となるでしょう。

台北からのアクセス:台湾鉄道にて「台東駅」下車
所要時間:約4時間
もしくは
松山空港からのアクセス:松山空港から飛行機で台東豊年空港へ
所要時間:約1時間

見逃せないイベント

早朝と夕方、毎日2回、空にいくつもの気球が一堂に浮かび夏を盛り上げます。

バルーンフェスティバル(台湾国際熱気球嘉年華)

台東の夏を代表するバルーンフェスティバルは、今年で14年目を迎えます。鹿野高台にて、風の穏やかな早朝と夕方の二回、毎日気球があがります。実際に乗ることができる係留体験、搭乗体験もあり、こちらはインターネットからの事前申し込みが必要です。目の前に並ぶバルーン(熱気球)がバーナーの炎の轟音と共にだんだんと頭をもたげ、球体になり、空へとあがっていく様子は、忘れられないワンシーンになるに違いありません。
世界各国から集った色とりどりのバルーンや、変わった形のキャラクターマスコットバルーンも登場。期間中にお気に入りのバルーンを探すのも楽しみ方のひとつです。会場では、オリジナルグッズが販売されるほか、台東グルメの屋台も多数出店しています。 
鹿野高台での朝夕各1回のバルーン鑑賞以外にも、台東市内や郊外での合計12回の特別イベントにてバルーンライトアップや、音楽ライブ、ドローンショーなどが予定されています。詳しい情報は公式HPをぜひご覧ください。

バルーンフェスティバル公式HP:https://balloontaiwan.taitung.gov.tw/en

鹿野高台
会場:台東県鹿野郷高台路46号
日時:7月6日〜8月19日

台東駅からのアクセス:専用シャトルバスが台東市内バスターミナル、台東駅、鹿野駅より往復運行予定(毎日)
所要時間:1時間

2024月光・海音楽会

今年で10周年を迎える「東海岸大地芸術節 (TECLandArts Festival )」のプログラムのひとつで、人気のイベントです。6月から9月にかけての満月の日に合わせて開かれる音楽会は、目の前に広がる太平洋の水平線からあがる満月を背にしたステージで、国内外のアーティスト達によるパフォーマンスが繰り広げられます。観客はすり鉢状に広がる芝生に自由に座って聞くことができます。同時に開催されるマルシェも自然をテーマにした個性豊かな作品が並ぶほか、台東ならではのフルーツやスパイスをいかしたグルメやアロマオイルも販売されます。心地よい音楽に自然と体が動きだすイベントです。

月光・海音楽会
https://www.teclandart.tw/zh/2024

日時:6/21、22、7/21、22、 8/20、21、 9/19、20
※6/22、7/21のみチケット販売制、その他は無料
会場:東部海岸国家風景区・都歴ビジターセンター(台東県成功鎮信義里新村路25号)
時間:マルシェ16:00〜21:30/音楽会17:00〜22:00

台東駅からのアクセス:台東駅または台東バスターミナルより直通シャトルバスを運行。または成功行き、靜埔行きの興東バスに乗り「東管処」バス停下車後徒歩約10分、台湾トリップバスに乗り「アミ族民俗センター(阿美族民俗中心」バス停下車徒歩約5分。
所要時間:約1時間

小野柳ナイトビジット体験

海水の侵食によって造られた奇岩が続き、その景観が東北海岸の「野柳」に似ていることから「小野柳」とも呼ばれている富岡ジオパーク(地質公園)。この公園内を「陸海空を網羅」と評されるベテランガイドが、陸上でヤシの実をかじる夜行性のヤドカリや、ヤシガニなどの動物の生態や、現代の人間社会がもたらす環境問題、海岸沿いの植物の様子から、海上の目の前を流れる黒潮、近隣の漁業がもたらす自然生態の変遷、星座の物語に至るまで、分かりやすく解説してくれます。
台東の沖合に浮かぶ緑島や蘭嶼島への船が出航しており、海鮮料理店が立ち並ぶ富岡漁港からもほど近く、アクセスも便利。事前申し込みはインターネットから簡単に行うことができます。長ズボンを履き、歩きやすい靴(足先が露出するサンダル不可)で、懐中電灯を持ってご参加ください。

小野柳ナイトビジット体験
https://www.eastcoast-nsa.gov.tw/nightvisit/

場所:小野柳環境教育小屋脇集合
台東市松江路一段500号
日時:4月1日〜10月31日
時間:18:30、19:00各1回、所要時間約1時間
費用:3日前までの申し込みにて100元(2日前以降は150元)

台東駅からのアクセス:プユマバス「陸海空快線A」、興東バス8109番などで「小野柳」バス停下車、目の前。

所要時間:30分

おすすめSPOT

台東には大自然の見どころがたくさん。その中で暮らす人々のおおらかさも台東の魅力のひとつです。 電車とバスを駆使して、台東市を中心に北へ南へ。素朴でパワフル、ディープな台湾を味わってみてください。今回はなかでも海の青、山の緑を楽しめるスポットをご紹介します。

知本温泉

アルカリ性炭酸泉で無色、無味、無臭、湯温は100度以上に達し、豊富な水量を誇る知本温泉。台東市内からのアクセスもよく、観光客だけでなく、地元の人々もよく訪れる台湾最大級の温泉地です。台湾先住民族プユマ族の人々の居住地区で、「内温泉区」、「外温泉区」と分かれたエリアは知本渓を境にしていますが、どちらもこの知本渓の川床から湧き出る温泉です。両エリア共に五つ星ホテルからファミリー向けホテル、野外スパ施設、廟に併設された湯治施設があり、目的に合わせた楽しみ方ができるのも知本温泉の人気の理由です。通り沿いには温泉卵を自分で作ることができる体験コーナーや、地元で採れる新鮮な野菜や果物の露天販売なども並び、週末には多くの人でにぎわっています。
内温泉区は、先住民料理を出すレストラン、天然の滝、知本国家森林パーク、先住民文化体験教室、キャンプやBBQ施設などがあり、温泉と組み合わせて一日たっぷり楽しむことができます。

台東からのアクセス
台湾鉄道に乗り「知本駅」下車、駅前から東台湾バス内温泉行きに乗り「白玉瀑布」バス停下車 。
所要時間:約50分

都蘭

市内から北へバスで約30分、海岸線沿いに位置するアミ族の集落です。毎年7月には、伝統行事の豊年祭が行われるなど、先住民の伝統文化も色濃く残るほか、近年はその海と山に抱かれた美しい立地から国内外のアーティスト達が多く移り住み、村全体が芸術色に覆われた美しい村となっています。村の中にはアーティストの工房や、セレクトショップ、自然由来の手作り石鹸店、Uターンした若者たちによる喫茶店などがあり、毎週月曜朝に村の人々が自身の野菜を持ちよるマルシェが開かれます。サーフィンスポットとしても知られ、海外からも多くの長期滞在客が訪れ、メインストリートが国際的なのも都蘭の特徴。村の入り口には1991年に廃止された製糖工場跡地をリノベーションしたエリアがあり、こちらも芸術家のアトリエ、先住民伝統のお酒を出すお店や、クラフトビールショップなどへと形を変えており、ゆったり村を散策するのもおすすめです。

台東からのアクセス
興東バスに乗り「都蘭B」バス停下車。
所要時間:約30分

三仙台

海に浮かぶ小島に、400mにわたって8つの波型アーチの橋がかかる三仙台。2022年の地震以来しばらく改修工事を行っていましたが、2024年2月5日修復が終わり、ふたたび一般開放されました。「三仙台」という島の名前の由来は道教の八仙のうちの李鉄拐、何仙姑、呂洞賓の三仙人が海を渡る際、ここで休憩を取ったことから、八仙にちなみ橋の波型アーチも8つあります。橋を渡って島へ行くと、台湾ならではのさまざまな珍しい植物の観察ができるほか、島の先端にある灯台からは360度の絶景を楽しむことができます。島内はのんびり歩いて約2時間、バス停周辺にはビジターセンターやお土産屋や軽食屋がありますが、島内には自動販売機、トイレがないのでご注意ください。

三仙台
台東県成功鎮三仙里基翬路74号
開放時間:8:00~17:00

台東からのアクセス
台湾好行バス東海岸線、もしくは興東バス靜埔行きに乗り「三仙台」バス停下車。
所要時間:約1時間

台湾ならではの定番スイーツ

サツマイモチップス1

地瓜酥(さつまいもチップス)

1960年代、まだあまりお菓子が無かった時代、台東の各家庭では、さつまいもを煮たり焼いたりして、おやつ代わりに食べていました。今では、そのさつまいもを使った「地瓜酥」が、台東を代表するスイーツとして定着しています。さつまいもを薄くスライスして揚げ、熱々の状態で蜜を絡めたもので、表面はねっとり甘く、食感はサクサクパリパリです。駅前や、市内中心にはさまざまなさつまいもチップス専門店が並び、お店によって甘さや使用するサツマイモの品種(主流は台東57号という品種)も異なり、なかには紫芋や紅心芋など鮮やかな色のさつまいもをミックスして使用する店もあります。チップスではなく真空パックされた甘煮もあり、こちらは壊れる心配がないのでお土産にもおすすめです。