【新北編】

海を望む山の斜面に石段や石畳の小道、古い家並みが続くノスタルジックで情緒豊かな九份。

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真夏の台湾をいっぱい楽しもう!
台北をぐるりと囲むオールマイティな街・新北。

台湾の中枢都市・台北市を取り囲むように位置しているのが新北市です。台北から鉄道やバスなどの公共交通機関を利用して、海鮮グルメやショッピング、人気スポットの観光も手軽に楽しめ、日本人のみならず世界中の観光客から高い人気を誇っています。
映画「悲情城市」のロケ地になった九份、天燈(スカイランタン)上げで有名な十分(※1)、台北の街並みを一望できる猫空(※2)、“台湾のベニス”と称される淡水のほか、台湾の先住民タイヤル族が多く住み、原生林に囲まれた烏来温泉など、台北からの日帰り観光におすすめのスポットが数多くあります。
さらにこれからの季節は、ごきげんなイベントが目白押しです。新北で台湾の夏をたっぷり楽しんでみませんか。

台北駅を起点とした主要観光名所(一例)
●九份までは、「台北」駅から「瑞芳」駅へ。その後1062番バスに乗り「九份老街」で下車、約1時間15分。またはMRT「忠孝復興」駅から1062番バスに乗り「九份老街」で下車、約1時間30分。
●猫空まではMRT板南線、文湖線を乗り継ぎ「動物園」駅下車、猫空ロープウェーに乗り換え「猫空」駅下車、約1時間20分。
●淡水まではMRT淡水信義線に乗り「淡水」駅下車、約40分。

見逃せないイベント

国内外に広く知られる大型音楽フェスティバル。昨年は日本のアーティストも参加。

新北市 河と海の音楽祭(河海音楽季)

若者に人気を集める真夏のイベントと言えば、「河と海の音楽祭(河海音楽季)」。毎年多くの国内外のアーティストが集結する野外フェスティバルで、今年で4回目を迎えます。今年は開催21年目を迎える台湾屈指のサマーフェス「貢寮国際海洋音楽祭(Hohaiyan Rock Festival)」とコラボし、例年開催されている「淡水」と、海洋音楽祭の開催場所「福隆海水浴場」の二か所を会場とし、よりパワーアップして行われる予定です。
台湾国内のインディーズバンドから、メジャーグループ、そして海外からのアーティストを招聘し、ジャンルはポップ、ロック、ジャズ、レゲエと多岐にわたります。期間は、三週にわたり週末に行われ、無料で楽しめるのも魅力です。音楽だけでなく、会場にはグルメブースや物販ブースが並び、さまざまなグルメやアルコール、オリジナルグッズの販売など、フェスの雰囲気を味わうだけでもテンションがあがりそう。 
2023年は日本からも「BackDrop Cinderella(バックドロップシンデレラ)」、「AIRFLIP」など個性派アーティストが多数参加しており、今年のラインナップも期待大のイベントとなっています。今年の開催日はまだ公開されていませんが、詳しい出演リストや日時は公式SNS等での発表をお待ちください。真夏の新北市で、台湾の若者たちと歌って踊って一緒に盛り上がりましょう。

新北市 河と海の音楽祭:https://www.facebook.com/r.o.music.fest

会場1:淡水漁人碼頭観海広場
日時:6月下旬に発表(2023年は8/12〜27の土・日に開催)

台北駅からのアクセス:MRT淡水線に乗り終点「淡水」駅下車、指南バス紅26番、836番(休日のみ)に乗り「淡水漁人碼頭」駅下車。
所要時間:約1時間10分


会場2:福隆海水浴場 新北市貢寮区興隆街36号
日時:6月下旬に発表(2023年は8/12〜27の土・日に開催)

台北駅からのアクセス:台湾鉄道「福隆」駅下車、海の方向に徒歩5分。
所要時間:約1時間

三峽 藍染フェスティバル

映画のセットかと見まごうほどノスタルジックな街並みが有名な三峽老街。大正時代に建てられた、中華・ヨーロッパ・日本の様式が採り入れられた赤レンガの建物が、100年の時を越え現役の商店街としてその姿を現代に残しています。
三峡は清朝時代から染織業が盛んな地域として知られ、現在でも200ⅿにわたる老街の随所に、染物屋の看板を見ることができます。なかでも有名なのが台湾の伝統工芸である藍染め。常設の三峡染センター(藍染展示センター)では藍染の文化について知るだけでなく、藍染DIYコーナーで自分だけのオリジナル作品を製作することができます。
そして毎年この時期には三峡藍染フェスティバルが開催されます。赤レンガの街並みに美しい藍色の布がはためく様子は圧巻です。作品展や写真コンテスト、体験ブースなどが設けられ、藍染めをより身近に感じていただけます。
また、三峡といえば外せないのが「金牛角」と呼ばれる台湾版クロワッサン。外はパリッ、中はモチッとした牛の角に見立てたご当地おやつパンです。見かけたら、ぜひご賞味ください。

日時:7月6日~7月28日
会場:三峡老街 新北市新北市三峽區民權街37之147號

台北駅からのアクセス:MRTまたは台湾鉄道に乗り「板橋」駅下車、台北客運702番、705番に乗り「三峡老街」下車。
所要時間:約1時間

野柳ナイトビジット

野柳風景特定区は、一千万年にも及ぶ海水侵食と、自然の風化によってできた奇岩を楽しめるジオパーク(地質公園)。キノコ岩や草履岩、キャンドル岩などユニークな形をした岩を見て回ることができるスポットです。なかでもクイーンズヘッド(女王頭)と呼ばれる奇岩は大人気。その煌びやかな頭飾りに凛とした横顔、華奢な首元の美しい姿(に見える奇岩)は、北台湾のシンボルと言っても過言ではないでしょう。
そして一年に二週間だけ、陽が落ちた後に開放され、ライトアップされた女王に出会える特別なイベントが「野柳ナイトビジット」です。工夫を凝らしたイルミネーションに照らされ、昼間とは全く異なる女王の表情に驚かされます。噴水やレーザーを音楽と組み合わせた大がかりなショーや、没入型プロジェクションマッピングもあります。想像を越えた自然とテクノロジーが融合する真夏の夜のイベントです。お天気が良ければ美しい夏の星空が望めます。チケットは当日現場でも購入可能ですが、入場制限がかかることもあるほどの人気イベントですので、オンライン予約がおすすめです。
周辺にはちょっと懐かしさを感じさせるお土産ショップ、水産加工品販売所や海鮮料理屋さんが並んでいます。ちょっと早めにお出かけして周辺を散策するのも楽しいでしょう。

場所:野柳風景特定区 新北市萬里區野柳里港東路167-1號
日時:6月28日~7月14日
費用:250元
https://www.northguan-nsa.gov.tw

台北駅からのアクセス:台北駅脇の国光バスターミナルから国光客運1815番に乗り、『野柳』下車、道沿いに歩く。

所要時間:約1時間10分

おすすめSPOT

台北市と隣接し、気軽に訪れることができる新北市。大型ショッピングモールや商業施設も多く、お買い物やグルメも楽しめますが、一歩路地裏に入ると昔ながらの街並みが残っていたり、海や山など大自然に富んでいるのも新北市の特徴です。今回は真夏の台湾を元気よく楽しめる、ちょっと変わったショートトリップのオススメ三選をご紹介します。

八里

淡水河の河口に沿う歩道から海へと沈む夕陽、老街での食べ歩き、異国情緒あふれる建築物などが有名な「淡水」を訪れた方は多くいらっしゃると思いますが、その淡水から眺める美しい対岸、八里にまで渡ったことがある方はあまり多くないかもしれません。淡水の船着き場から渡し舟に乗って向かう八里は、古き良き懐かしい街並みが残る穴場スポットです。イカ団子や射的などの屋台が立ち並ぶ小さな老街を過ぎ、河沿いの遊歩道をのんびり散策しながら、ビルが立ち並ぶ淡水の街並みの全体像を眺めるのも新鮮な体験となるでしょう。
また、ちょっと足を延ばせば台湾北部初の考古博物館である新北市立十三行博物館があります。過去に台湾建築賞や、国家建築賞などを受賞した芸術的デザインの建築と共に、台湾の歴史を学べる穴場となっています。

台北駅からのアクセス
MRT淡水信義線に乗り「淡水」駅下車、駅前から川沿いの遊歩道を歩き、船着き場から台北航運、八里行きの渡し舟に乗る 。
所要時間:約1時間

林本源園邸

台湾五大財閥のひとつ、林家によって建てられた庭宅で、台湾四大名園のひとつとしても有名です。台湾に現存する中華風庭園建築としては最も保存状態が良好で、現在は国定古跡として一般に開放されています。市民の憩いの場でもあり、多くの観光客が訪れるスポットとなっています。一説によると1875年に建てられ、1889年に増築・修復工事が行われ、1894年には完成していたのではないかと言われています。柱、飾り窓、彫刻、瓦や階段、回廊など細部にわたって精巧に作られた建築をゆっくり観賞したり、隅々まで手入れの行き届いた庭園でゆったり過ごすのもオススメです。5名以上の事前予約で日本語のガイドも手配することができます。

https://jp.linfamily.ntpc.gov.tw
※現在一部修復工事中

台北駅からのアクセス
MRT板南線に乗り「府中」駅下車、駅前の府中路を直進し文昌路を左折、西門街を左折。
所要時間:約30分

烏来温泉

台北駅から南へ約33km、原生林に囲まれた山間の温泉郷。無色無臭の重曹泉(ナトリウム炭酸水素塩泉)は美肌の湯とも呼ばれています。バスターミナルで降り、台湾先住民タイヤル族の伝統紋様で飾られた細い橋を渡ると、道の左右には川魚や山菜など地元の食材を活かした飲食店や、台湾ソーセージやお団子などの屋台、ローカル色豊かなお土産屋が並ぶ、活気にあふれた老街が広がります。そこを通りトロッコ列車に乗って、台湾屈指の落差82mの滝・烏来瀑布や台湾先住民タイヤル族の伝統舞踊を楽しめる烏来山地文化村を訪ねるのも楽しみのひとつです。さらにロープウェーを乗り継げば、雲と霧に包まれ、豊かな動植物の生態を持つ雲仙楽園へも足が伸ばせます。

台北駅からのアクセス
MRT淡水信義線、松山新店線を乗り継ぎ「新店」駅下車、駅前の「MRT新店」駅(北新路)より849番バスに乗り「烏来ターミナル」下車。

もしくは「台北」駅より849番バスに乗り「烏来ターミナル」下車。

所要時間:約1時間半

台湾ならではの定番スイーツ

蛋黃酥(ダンファンスー)

何層にも重なるサクサクのパイの中に、あんこと塩漬けされたアヒルの卵の黄身がコロンと入った、見た目も可愛らしい焼き菓子。塩漬けされたアヒルの卵の黄身、と聞くとちょっとびっくりしてしまいますが、ねっとりとしたまろやかなしょっぱさと、パンチの効いた中華あんの甘さが、絶妙なハーモニーを醸し出しています。この塩漬け卵はお菓子のフレーバーとしてビスケットやスナックで使われるだけではなく、台湾ではとてもポピュラーな食材で、おかゆのトッピングや炒め物の味付けにも使われます。近年では小豆餡だけでなく、緑豆餡、タロイモ餡などのバリエーションもあり、断面まで可愛らしいことから、台湾国内では贈答品として大変喜ばれています。見つけたらぜひご賞味ください。