台北中心部からMRT淡水信義線を利用して行くとのできる「新北市・淡水」は、川沿いの老街散策や食べ歩き、歴史的建築物、海辺の開放的な景色が楽しめる、台北近郊を代表する観光地です。そんな淡水に2026年春、新しいランドマークとして「淡江大橋」が加わります。
夕日の名所・淡水の景色を邪魔しない橋梁デザイン
淡江大橋は、淡水河口の両岸である淡水と八里を結ぶ新しい橋で、その長さは920メートル。世界的に著名なザハ・ハディド・アーキテクツ(Zaha Hadid Architects)がデザインを手がけました。2016年に他界したザハ・ハディド氏の遺作ともいえる作品です。
主塔が1本だけという特徴的な構造を持ち、単一の主塔で支える非対称斜張橋としては世界最長となりました(完工時)。

淡水は、広がる空と海が気持ちよい、夕陽の名所として知られます。その魅力を損なわないため主塔は1本にとどめ、視界を極力さえぎらないようデザインされているのです。夕暮れ時には、空と水面の広がりの中に橋のシルエットがやさしく溶け込み、これまでとは少し違う淡水の表情を楽しめるようになりました。
淡水・八里の観光アクセスがより便利に
淡江大橋は、来年(2026年)春に運用が開始されます。自動車道と鉄道の共用橋として作られており、将来的には淡海ライトレール(淡海輕軌)を八里方面へ延伸する計画もあります。現在も船で淡水-八里間を行き来することはできますが、淡江大橋の利用により所要時間が短縮されれば、八里左岸サイクリングロードを楽しんだり、考古学博物館「十三行博物館」を訪れたりと、少し足を延ばして楽しむ機会も増えることでしょう。
淡江大橋は、この地域の魅力をそっと広げてくれる、新しい旅のきっかけになりそうです。

▼十三行博物館 公式サイト(日本語) https://jp.sshm.ntpc.gov.tw/